ログハウスのメンテナンス
どんな工法で建てられた家でも、その工法に合わせたメンテナンスが必要です。
天然の木を使うログハウスは、建物完成後、一般的に2から3年間程度はログハウス独特の
「セトリング」(木の収縮による壁の沈み込み)がおきます。
この期間はボルトの増し締め、柱や階段、建具廻りの調整等が必要です。
乾燥収縮による割れからログを保護するために、外壁の定期的な塗装をお勧めしています。
適切なメンテナンンスやお手入れを行えば、ログハウスは大変寿命の長い建物です。
主なメンテナンス項目
ログハウス特有のメンテナンス項目には以下のようなものがあります。
- *以下は標準的な項目例であり、実際のメンテナンス項目は仕様や設計等により異なります。
- *「丸太組構法住宅工事仕様書」より抜粋・編集
乾燥収縮(セトリング)進行中のメンテナンス
ログ壁の収縮に合わせて通しボルトの下に設けたナットのゆるみを締め直します。
標準的には竣工後6ヶ月、1年後、2年後、大断面丸太材を使用している場合は3年後にも行ないます
建具周りすき間のメンテナンス
窓ドア上部の収縮スペースの点検や、丸太材に隙間が生じている場合のシーリング材等の充てんを行ないます。
また必要に応じて調整材、開口(ドア・窓)廻りの側板の調整、建具枠、建具の調整を行ないます。
日常のお手入れ
初期のセトリング終了後も、紫外線や汚れ、雨水の影響、虫害等の点検を定期的に行ない、異常があれば必要な措置を行ないます。
丸太材等の保護(防腐・防蟻措置)
外壁は早めにメンテナンスを施すことにより、ログを保護し建物を長持ちさせることにつながりますが、乾燥収縮により日割れから雨水が侵入しているような場合には防腐剤塗布等必要な措置を行ないます。
ベランダ、テラス等も自然環境に大きく左右される部分ですので、定期的な点検と早めの対応が大切です。
樹液(ヤニ)のしみ出し除去
からまつ、べいまつ等樹脂を多く含む樹種は、建物の乾燥後に樹脂がしみ出してくる事があります。
その場合は金属版、ナイフ等で欠き取る、有機溶剤(アルコール等)を染み込ませた布等で拭き取るなどの措置を行ないます。
その他
結露やカビの有無、ストーブなどの暖房器具廻りのチェックも行ない、異常がある場合は対処します。
[参考文献] 丸太組構法住宅工事仕様書(平成23年度版)